ストックホルダーとは一般的に株主のことを意味しますが、
株主はシェアホルダーとも言われます。どういう区別なのかというと、
単に株を有している人はストックホルダーで、議決権を有する株式を
所有している人はシェアホルダーとなっているようです。
モノ言う株主はシェアホルダーということでしょうか。
一つの株式につき一つの議決権が与えられるというのが原則なのですが、
株式を所有していても必ず議決権を有している訳ではないのです。
議決権を持たない株式の例としては、①単元未満株式、②自己株式、
③株式持ち合い制限によるものが代表的なケースです。
単元未満株式とは、会社は定款によって複数の株式を一つの単位として
議決権を付与することができますので、例えば1,000株で議決権を
一つの単位として定めると500株しか持っていない人には議決権が与えられない
ということになります。
会社が自己株式を所有している場合には、その株式には議決権が
与えられません。株主総会で会社が自ら議決の優劣を決めてしまいかねないという
危険防止のための制度のようです。
株式持ち合い制限により議決権が与えられないというのは、
会社同士で株式を持っている場合、4分の1以上の株式を持たれている
会社(被支配会社)が持ち株会社(支配会社)の株式を持っていても
その株式には議決権が与えられないという制度です。
支配会社が被支配会社を誘導して恣意的に有利な議決をすることを
防止するために設けられているものです。
こうした一連の制度があるにせよ、資本多数決主義ですから
議決権の数は所有する株式数に比例しているのが当たり前で
大口の株主が会社に対して絶大な影響力があることには違いありません。
株主を表する言葉としてストックホルダーと
シェアホルダーの二通りがあるのであれば、
大口の株主をストックホルダーと呼んでしまったら
失礼に当たるのかもしれません。