企業との直接的または間接的な利害関係者をステークホルダーと
呼んでいますが、企業にとってはその範囲は広く
株主・社員・取引先・関係行政機関・消費者などが含まれます。
企業の経営戦略を組む上でも、どのステークホルダーに重きを
置くかは重要なファクターとなっています。
株主重視であれば事業活動の効率化のためにリストラが
進むのかもしれませんし、社員重視であれば賃金や労働条件の
改善に努力するかもしれません。
いずれにしても企業価値は、ステークホルダーの評価が
高まるとともに上昇するという認識を企業側も
持たなければなりませんし、ステークホルダーは
企業にとって無視できない存在と言えるでしょう。
利害関係者となると国税局や税務署も企業にとっては
重要なステークホルダーであることには間違いありません。
毎年申告書を税務署に提出し、税金を納付するわけですから
国税当局とは切っても切れない間柄ということになります。
さらには定期的に税務調査を受け、申告内容に非違があれば
修正申告をして新たな金銭の負担が生じるわけですし、
脱税が発覚すれば企業イメージは大きく損なわれることになります。
ステークホルダーに翻弄されている最近の事象としては、
東京電力が挙げられるでしょうか。原子力発電所の事故により
一挙にステークホルダーから批判的な目で見られ、
原発事故の被害者と言うステークホルダーが大量に増加しました。
電力会社は一般の企業よりステークホルダーの数は
膨大なもので、その多様性は異常なほどです。
電力供給地域の需要者全て、そして政府がステークホルダーなのです。
東京電力は他にマスコミ対策にも多くの時間が取られているようですし、
原発反対というイデオロギー集団にも批判的に捉えられています。
東京電力の場合、一つの民間企業で抱えられるステークホルダーの
範囲が大きく通常の範囲を逸脱しているのではないかとも感じますが、
抱えるステークホルダーを今一度整理して組織で適切に対応してほしいものです。